また来た夏。3ヶ月ぶりに髪を切った。後ろ髪約15cm。ここ数年縮毛矯正をする関係で美容院的なところに行っている。店長に彼女は来ないねと突然言われた。あの子はもう来ないだろうと伝えた。
梅雨はまだ明けず、食中毒になると脅されながらも行った寿司屋で何も言わずガリを2つ出された。空席待ちの紙にも1人と書いたのに、この1年もう何度も行っていたのに、板さんから「あれ?今日は1人なの」と尋ねられた。満員なのに隣の席はなかなか埋まらなかった。
今日は、大倉山を歩いている背後や右手の向こう側に、あの子の姿が皆に見えてしまう日らしい。
小雨の中傘を指さずに歩いた時、マンションの帰り道、ビルの入り口で首が妙に温かかったのは何かそのせいだろうか。何度雨が降り、人が消えた痕跡を何度流しても、人の心には残り香が漂い続けるのか。