夢の風景 (14)

右腕に暖かな重さを感じて見ると君が笑っていた。
昔から、わかりきっているのに名前を聞いて答えてもらうという、ある種のトートロジー的な儀式が二人の間にあったが、今はその答えが返ってくるだけでも感慨深かった。
東向きの部屋に差し込む朝の光の中で、君はただ、とても無邪気に笑っていた。