たまには極端に後ろ向きにならないと身が持たない。混雑にキレるなら終電なんかに乗るなと言いたいが黙っておく。
機会があったのに行動しなかったのは愚かだった。
選ばせてもらえる立場にあったのに悪い方を選んだのは愚かだった。
日々の欲にかまけて長い見通しを持てなかったのは愚かだった。
かつてはあったそれを失ってから無い物ねだりするのは愚かだった。
ミーイズムと収奪と欺瞞と偽善にあふれた組織に疑念も持たずに奉仕したことは愚かだった。
評価は対価に化けなければ後々に残らないと知らなかったのは愚かだった。
僕はあまりに愚かなので、これの、あれの、そしてそれの、いずれの始まりにも終わりにも気付かない。
同じ感覚の先達に、それはいつ頃からだったか聞いてみたい。夜の数は昼よりも一つ多かったのかとか、聞きたい人にはもう聞けない。