ある日突然短い余命を宣告されたとしたら、僕はとりあえず頭の中にある曲でまだ形になっていないものを、急いで録音したり譜面に書き散らしたりするだろう。あとは、無責任な話だけれども、近々死ぬことになる僕の子供でも産んでくれるという女性を見つけて子孫を残そうとでもするかも知れない。
上の例は極論だけれど、それは早いか遅いかの違いだけで、朝日を見る度に一日ずつ持ち時間が減っていることだけは変わりはない。ある日実現できなかったことは、もはやその先の一生でも実現し得ないことかもしれない。自己中心的で誰かを苦しませ悲しませるかも知れないけれど、そしてまた一般の常識には反するかも知れないけれど、僕は自分のためだけに、毎日の欲求を実現し積み上げた先の未来が見たい。そしていつか終わる日々の果てで、後悔と絶望で自分の足跡を呪うことだけは避けられるようにしたい。