竹内めぐみデビュー曲、韓国でカバー 「何もない僕等」
今年 1 月 1 日に日本語 CD の発売が解禁されて以来、韓国語でカバーされた日本人の楽曲第一号とのこと。
この曲の作曲者である友人も日韓の音楽交流の歴史に名を残すことになるわけか。
もう1年半ほど連絡を取っていない彼が僕のことを友人と思っているかどうかは判らないけれど。 5・6年前に男同士で狂ったように長電話したりしていたのが懐かしい。
今現在、彼は日本で特に有名になっているわけではない。しかし、恐らく言葉も知らない隣の国の人に、数え切れない曲の中から選ばれたということは、彼の作品が普遍的に伝わり得るものだということを示していると思う。竹内めぐみへの提供曲に限らず、数年前の彼自身のアルバムが売れなかったのがもったいなくてしょうがない。単にその辺に転がしておいても、周囲と全然違う光を放っていたはずなのに。多分みな自分の目(耳)で探す気がなかったんだろう。
センス、技術、そしてスタンスの全てで、僕が超えられない壁を斜め上に突き抜けている彼にとって、日本のマーケットは了見が狭すぎたのかもしれない。単に、その時のマーケットの流れと彼の運が悪かったのかもしれない。これが韓国でものすごい好評を博して逆輸入されて流行したら日本人は追随するのか、などと思う。
長瀬弘樹氏は、僕の知る限りは残念なくらい正当に評価されていない人物だと思う。少なくとも Google の検索結果で、単なる MIDI フリー素材屋の僕よりも彼の名前が少ないのはどうかしている。
世論は大衆の意識の平均だから、評価は僕個人が言ってどうなるものでもない。けれど、単に彼とその作品の存在を今よりも少しだけ多くの人が知るだけで、大きく風向きが変わると僕は思う。
新CCCD技術
今朝読んでぎょっとしたニュースに okatch 氏も触れていたのでちょっと思うところを書く。
予想通りと言うか何と言うか……。
勝手に複数の超高周波倍音を追加することで、それを録音する際に例えばデジタル録音機器なら、サンプリング周波数との間でうなりやクラックルノイズを発生させる。アナログ録音機器であっても、録音時の周波数特性が非線形となくなることを利用してノイズを発生させるのであろう。すなわち、単純に曲の中で意図的に超高域を鳴らしているだけでうなりが発生すると予測される。この手の技術にありがちなものとして、そのうなりは人間の耳で聴いて原音との違いがわかるレベルの影響を与えてしまうことだろう。
また、この技術はアンプとかエンクロージャーが完全に線形な増幅を行っていることを前提としているけれど、単に購入した CD を自宅のオーディオで再生している場合でも、再生機器に非線形な増幅回路があった場合、元々の音楽と超高周波が振幅変調されてしまうのではないか。
そして、現実の民生用のオーディオ回路には多かれ少なかれ非線形歪みが無視できないレベルで存在する。
恐らくストラヴィンスキーの「春の祭典」に代表されるような、使用されている音の帯域が広い多くのクラシック曲が音質劣化等の悪影響を受けるはずだ。また、僕の曲には意図的に可聴域の限界付近の音を鳴らしているものがあるので、自分のCDには適用したくはない。
結局この手の技術は原音を破壊するもので、周波数帯域の狭いポップミュージック辺りでしか有効に活用され得ないのではないか。電車の中なんかで、ポータブルCDで音割れした音を聞いている場合や、単にそれっぽいアイドルが歌っていればいい人たちなどの耳には害はないのかもしれない。
真っ当なオーディオを持っている人ほど不利益を被るのはいかがなものか。
僕はこんな技術が世に出るくらいなら、いっその事CDとドングルをセットで販売してもらい、そのドングルをセットしたオーディオ機器ではないと再生されないような規格のオーディオ媒体の実現を望む。