危険信号 (2)

名古屋は呪われているが、それは400年程前から殺され続けた人が今も繰り返し生まれてくるからに違いない。
岡山は残酷なほど乾いて凍っている。通いつめるほど皮膚がささくれて削げ、骨だけを残して乾いた血の固まりがバラバラと落ちる。
仙台には髪の毛に包まれた邸宅があって、それは海辺の別荘地にある。髪の毛の持ち主はとっくに死んでいるが、髪は今日も伸びつづけている。
福岡で生き延びることができると人門の人物にはなれるが、五体満足で生き延びることはとても難しい。裸で走って逃げている女性を牛刀で滅多刺し。
横浜で食べることのできる肉は全部ネズミかミミズのミンチだ。野菜のふりをした新聞紙を噛みながら、下水で作った毒水を飲む。