日食が近くなるに連れ太陽の観測方法を目にする機会も増えた。
下敷きやサングラス越しでも、太陽を直視すれば数秒でも危険らしい。
ところで、僕の目は中央部分が極端に視力が悪く、周辺はマシなのでやや変わったコンタクトレンズを使っている。小学校の1年の終わりまでは2.0だった視力が2年生の間に一気に0.2まで落ちた。近視よりも乱視がきつく、色の認識も少しおかしくなった。
今思えば、当時はいつも20分の道のりを一人で歩いて帰っていて、誰に言われたわけでもないのに太陽を見つめ続けていた。ずっと見つめていると残像で視野が真っ黒になり目を開けているのに夜みたいになって、そこにはないはずの緑や青の鮮やかな閃光が走るのが好きだった。そうしているとなぜか溢れる涙も好きだった。
何も知らない頃とはいえ愚かに過ぎるし、見えなかったものもたくさんあったのだろうと思う。