気がついたらまた 3 ヶ月が盗まれた。
駄目になりそうだと気づいたらもう既に駄目なんだ。
暴れ牛
夢の風景 (5)
突風にあおられて、僕は手に持ったバスタオルで空を飛ぶ。吹き上げられたその一瞬は気持ちよいけれど、頂点に達してからはひたすら落ちる落ちる落ちる。地面に叩きつけられる寸前で木に引っかかったから助かった。救助に来てくれた人々はなぜか僕のことを不用意だと叱り、殺そうとする。別に自分から飛び上がったわけではないのに。
理不尽な人々から逃げ出すために、僕は時代錯誤の機関車を運転して線路を西に向かう。
線路に横たわる人々を何百本もの爆竹を鳴らして追い払い、それでも動かない人々は車輪に巻き込んで進んでいく。
京都を過ぎ、大阪を過ぎ、西宮を過ぎ、神戸を過ぎ、姫路に向かう頃には車輪は重く、歩くほどの速さでしか進めなくなった。
夜の11時を回っているというのに空には黄緑色をした太陽がギラギラと明るく、左手を緩やかに通り過ぎる球場の脇を変な竹馬にまたがった人々がぴょんぴょんと数十 m も飛び跳ねながら大騒ぎしている。きっと今日は花火が打ちあがる日なのだろう。
今日は風が強い。みんな燃えてしまえ。
近況(2004年4月下旬~5月初旬)
喜劇ならもっと
つまるところ人生は喜劇でしかあり得ないと言う人がいる。
それは嘘だ。
相反する二つのテーゼに縛られて生まれてくること自体が悲劇そのものだと、僕は思う。
生まれた瞬間に死が確定するのと同じように、至福が訪れた瞬間にそれに応じた規模の破滅の訪れが確定することが悲劇ではなくて他の何であり得るだろうか。
そもそも喜劇で笑いの対象としてしばしば扱われるテーマは、不器用な人間が失敗を重ねる姿だ。滑稽に見える姿も、本人にとっては何も楽しいことなどありはしない。少なくとも僕はそれを自虐的に楽しむ事が出来るほど洗練されたウィットを持ち合わせてはいない。
いくら本当にほしい物とて、仮に手に入ったとて、何も約束されることはない。
一度手の中をすり抜けて行ったものはおそらく戻ることはないのだが、捕まえられなかったそれを追い続け、知らぬ間に人は老いさらばえる。
人生が喜劇であると言うならもう少し短いスパンで明るいイベントを投入してほしい。そろそろこの路線には飽きが来たし、もう疲れた。さもなければ諦めがつくに充分な絶望を与えてくれ。中途半端に、電車に引き摺られて千切れるのを待っているような人間がたまに風に乗ってくる少女の香りでエレクトしているような、そんな荒んだ夢ばかり見せないでくれ。
そこら辺を転がっている情報は多いけれど何も役に立ちはしない。口数が多い僕を演繹して世界に広げて、それを自分で揶揄して何の意味があるのかはわからないけれど。きっと彼ならこういった問いに斬新な答えをくれるのかもしれない。教えてくれ。
海外版 CD 輸入禁止反対
okatch が言及しているのを見て驚愕。
愚かなことはやめてくれ。
今まで大手の外資系レコード店等で色々と興味深い海外のマイナーなアーティストを知ってきたわけだが、これからは自分で海外サイトを彷徨って、自分の琴線に触れる音を探さなければならなくなるのか。おそらくは店員の個人的趣味と思われるオススメ輸入版コーナーみたいな物がある店は多いが、担当者の趣味と僕の趣味が合っていたら、自分の時間を費やさずとも、音楽的発見を新たにするようなとてつもない音に出逢える可能性が高かったのだ。しかし、今後レコード店での販売が禁止されれば、そのチャンネルはなくなる。
ウェブの形で情報を発信していないアーティストは、僕はこれからどうやって知ればよいのだ。そういう趣味の人間は UK インディーの雑誌でも個人輸入すればいいと言うことなのだろうか。僕はどちらかと言うと売れ線の曲よりも、音楽の新たな解釈をしている人の曲に興味がある。そういった趣味の人は、最近は決して少なくはないと思うのだけれど。
こう言った妙な改悪を重ねると、法案の意図とは逆に、ますます国際競争力を弱めることにしかなり得ないだろう。この手の思想は、文化の多様性を政治的意図でねじ伏せることに繋がりかねず恐ろしい。
海外盤CD輸入禁止に反対するホームページ
http://sound.jp/stop-rev-crlaw/
海外盤CD輸入禁止に反対するBLOG
http://blog.goo.ne.jp/stop-rev-crlaw/
日常の救急車
某バンドのキーボードボーカルと一緒に夕食を食べた後、店を出て歩いていたら彼女は意識不明になって倒れた。その後に僕は仕事の予定は入っていたのだが、本人が意識不明で救急車を呼んだので付き添って病院に行かなければならなかった。とりあえず、さっき意識が戻ったので帰ってきて、これからゆうべの分の仕事を始める。
倒れた原因は不明だという。彼女が救急車に乗るのは今年の元旦から数えて 7 回目だ。毎回原因が不明なので根本的な解決はしない。そういう人はしっかりと入院して精密検査をすべきだと思うのだが、本人がそうする意思があっても受け入れてくれる病院がない。結局、犯罪に対する警察と同じで、何か大変な症状が出てからではないと検査を積極的にしてはくれないのかも知れない。
昨年から 20 回ほど、こうやって深夜にタクシーや救急車で病院に行っているので、地元の救急隊や救急病院とすっかり顔見知りになってしまった。あと、目の前で倒れる人を見て冷静に応急措置が出来るようになったのは、僕にとっては危機管理という意味では良いことなのかも知れない。
だけど、こんな日常というのは何だかなあ。
眠れない夜、変わらない朝
in-place upgrade
危なかった。
何気なくメインマシンで Windows Update を行い、ついでにマザーボードのチップセットドライバとアプリケーションアクセラレータをバージョンアップしたら二度と再起動しなくなった。セーフモードでも起動しないどころかブートストラップ直後でエラーメッセージも出さずに落ちてくれる。通常の Windows の修正では駄目だったので、in-place upgrade に取り掛かる。この糞忙しい時に!
今度やる時のための覚書のつもりで記録しておく。
このマシンは元々音楽専用のつもりで作ったもので、IRQ の割り当てがシビアなカードやドライバのインストール時にクラッシュする可能性が高い機器が多い。実際、まず普段の使用状態で試してみたところ機器の認識の途中で落ちた。
とりあえず USB 機器は全部外して、Cubase のドングルとパラレルの MOTU MIDI を外し、異常に固く入っていた RME 96/8 PST の PCI カードを抜く。とりあえずそれでインストール自体は出来た。しかし再起動すると Windows 2000 ロゴ画面でプログレスバー 55% あたりでクラッシュ。ブルースクリーンに STOP 0x0000007B INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE と表示され一瞬 HDD がクラッシュしてしまったのかと思い非常に焦る。しかし BIOS では認識されているし、こんなこともあろうかと用意していた KNOPPIX でブートドライブの中身を確認したところ正常に読めた。何だ?
2 時間くらい考えて、やっとそのマシンは電源管理をACPI ではなく APM に設定していたということを思い出した。in-place upgrade でも、Windows CD-ROM を投入した瞬間に F5 連打 → Hardware Abstruction Layer 選択で Standard PC を選ぶという作業が必要だったのだ。ということでもう一度最初からインストールのやり直し。1 時間半に亘り延々とドライバの再インストールとアップデートパッチを当てて再起動を繰り返し、5 時にやっと復旧が完了した。
今回、2004 年 2 月分までのパッチは統合インストール用 CD-ROM をマイクロソフトから入手していたのでまだ作業は簡単だったにも関わらずこの手間。今からやっと昨日分の仕事に取り掛かれる。
徹夜スパイラル
今日もスケジューリングがうまく行かず、今週二度目の二徹だ。
例によってうさこ社長も忙しいようだ。
うさこ社長はどれほど忙しくてもほとんど徹夜はしていないようだけれど、それはやっぱり本人が自負しているようにディレクション能力に長けているんだろうと思う。日記で見てわかる分だけでも僕よりも全然仕事量が多いのによくもまあ回るなと。
それに引き換え僕はその辺りがからきし駄目だ。いつもナイフエッジ状態でスケジュールを組んでいるから、今週みたいに先週の納品物が原因不明のバグだらけだったりすると途端に徹夜だらけになる。二徹目からは成果物のクオリティが一気に下がるのであと5時間で締め切りの物件はおそらく大惨事で、来週もまた大変なんだろう。連休でもあれば締め切りの線引きをごまかせるのだけれど、今回は初めから深夜も土日も線が引かれているからあまり意味はないんだろうな。
複数のタスクを一人で同時に回すのは社会人なら当たり前だろうけれど、それぞれの顧客に対して納期をずらせないスケジューリングというのはどうなんだろう。
ちなみに、僕のスケジュールはだいたいいつも下記のような形になっている。
- 物件1 - 工数 5人日 – 4/1 着手 – 4/5 納期
- 物件2 - 工数 10人日 – 4/1 着手 – 4/12 納期
- 物件3 - 工数 5人日 – 4/8 着手 – 4/12 納期
- 物件4 - 工数 0.5人月 – 4/15 着手 – 4/30 納期
- 物件5 - 工数 1人月 – 4/1 着手 – 4/30 納期
全部納品先が別なので、それぞれの顧客の目には全く普通のスケジュールに映るが、実際には 4 月中に営業日 21 日に対して約 50 人日の工数をこなす必要がある。うちの会社は一人一人が全員この状態である。この場合、8 時間/日 勤務を基準として計算すると 400 時間。土日祝も休まず 30 日フルに使って 1 日あたり 13 時間 20 分。実はこの程度ならどうってことはないのだけれど、これに「大至急」の修正作業が重なってくると労働時間はあっという間に 20 時間/日 を超える。
初めからスケジュールを緩めにとっておけば良いではないかと言われるかも知れないが、およそ元請から丸投げされてくる段階で、要求仕様が未定で作成中にどこまでも膨らむにもかかわらず、なぜか予算の限度と納期だけは既に決まっていることが多い。それに輪をかけて、僕には既に担当している別物件があるので納期を長く取りたいという訴えや、プロジェクトへの人員追加の稟議は元請の都合により却下されることが多い。
こういった問題は外注をやっている以上どのクライアントにも共通に存在し、ある意味諦めるしかないことだと思っている。(参照: 真・コンピュータ用語辞典 「外注」の項、および「システム開発」の項)
うさこ社長や他の下請けベンチャーの SE は納期問題をどうやって解決しているのだろう。もしかして、僕の周りのこの常識は世界の非常識なのだろうか。