名古屋は呪われているが、それは400年程前から殺され続けた人が今も繰り返し生まれてくるからに違いない。
岡山は残酷なほど乾いて凍っている。通いつめるほど皮膚がささくれて削げ、骨だけを残して乾いた血の固まりがバラバラと落ちる。
仙台には髪の毛に包まれた邸宅があって、それは海辺の別荘地にある。髪の毛の持ち主はとっくに死んでいるが、髪は今日も伸びつづけている。
福岡で生き延びることができると人門の人物にはなれるが、五体満足で生き延びることはとても難しい。裸で走って逃げている女性を牛刀で滅多刺し。
横浜で食べることのできる肉は全部ネズミかミミズのミンチだ。野菜のふりをした新聞紙を噛みながら、下水で作った毒水を飲む。
危険信号 (1)
逡巡
最近やたらと死にたいと思ったりするのは心が弱っているからなんだろう。
このままの生産性だと会社に対して迷惑ばかりかけてしまうので退職しようかと何度も考えるが、ここで辞めてしまうと次の仕事でも同じことを繰り返すだけになってしまうのではないか。だからと言って急に死んでしまっても迷惑だし、うちの会社は休職を受け入れられるような度量のある会社でもない。何とか会社に損害賠償をしなくても済むような形で決着させたいのだけれど難しそうだ。
恥を偲んで親に相談してみたら、その状況で勤め続けている方が愚かだと言われた。会社にとっても、もちろん自分にとっても良くはないことなので、一旦蹴りをつけるべきだと。このままの状態が良いとは思わないが、結局どこに行っても今より楽になることはない気がするし。
今日も何も結論は出ない。
新興宗教来襲
病院に行ったりしていたので、珍しく土曜日は完全休養していた。
リフレッシュしたから日曜は仕事を進めようと思っていたのに、寝起きに以前からたまに来ていた新興宗教の信者が勧誘に来た。
全くの無関係な相手なら適当にあしらっておけばいいのだが、親戚筋で世話になっている人なので邪険にも出来ない。ただ、迷惑なので今後二度と来るなと伝えるためだけに話に出た。
私の命を賭けてでも、貴方の最悪な現在の人生を必ず改善させるから、仏法に帰依しろという。僕は、現状の人生は楽しくはないにしろ、歯車としてはそれなりに機能しているから仕事の邪魔はするなと答える。一日30分も祈る暇があるなら寝かせてくれ。
本当に鬱陶しい。玄関先で1時間半も帰れと言って押し問答した挙句、穏便に収めたかったのに最終的には怒鳴ってドアに目張りをして追い出す羽目になった。
捨て台詞として、仏法を尊ばない者には必ず身の破滅が訪れると大聖人が断言していると言っていた。知ったことか。信じてもいない宗教の聖人の言葉を誰が信用するか。今度来たら警察を呼ぼう。
社員管理法
能率向上のための考察
8時半起床。9時マシン起動。
25時まで作業。27時まで日報作成。
日報作成後に不具合発覚、28時半まで作業。風呂、食事、29時半就寝。
これだけ時間を使って仕事をしてもうまく回っていないのは能率が悪すぎだ。
最近指摘されたのは、疑問点を尋ねないまま直前まで過ごしてしまい、その結果品質が劣化しているという点だ。
まず、疑問点が出せるところまで作業が進んでいないところ自体が社会人失格だ。われながら言い訳がましいけれど、今まで通りに作業しているつもりが時間が盗まれたような感覚を覚えるほど、あまりにも仕事が進められないので、今週は本気で精神科に掛かろうかと思った。
でも、精神科が空いている時間に外に出られそうもなかった。最近好不調の波が大き過ぎるとは思う。
今日は何とか形には出来たけれど、このところの遅れのせいで明日からまた火の車。週末のどちらかくらいは休めるだろうか。
能率を上げないとこのまま一生休めない。気合で乗り切れるとも思えないし、まずは外圧を用意するところから始めようか。もっと追い込まれれば、嫌でもやらざるを得なくなるのだから。
ναρκισσου?
βαρβαροι
恋愛観察
胸をときめかせて恋をするのは乙女の特権だと誰かが言っていた。
実際、平凡なルックスの27歳の男が恋愛をしようと思っても、まずはそれなりの経済力をもっている必要がある。ポジティブなことを語るためにはある程度の将来性も欲しいし、何よりそれなりに暇な時間も必要だ。その前に普通に暮らしていると同世代の女性との接点はまるでない。
考えてみれば高校生の頃なんかは天国だったと思う。クラスメイトというだけで一緒の時間を過ごす口実になるし、一緒にいるだけでお互いのステータスはそう気にせずに仲良くなれていたわけだし。いつからこんなに打算的になってしまったんだろう。
とりあえず今は現実を見て、嫌でも諦めてでも進んでいくしかない。恋する乙女を横から眺めているのは楽しいけれど、僕に幸せが降ってくるわけでもないし。人は人、自分は自分、羨んでも仕方がない。